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「ごろつき犬」

2007年12月06日

Posted by navera at 14:48│Comments(2)茂in映画は大映
武蔵小杉にある川崎市市民ミュージアムで、12月の第1週、第2週の週末に「犬シリーズ」の連続上映というナイスな企画が行われてます。詳細はコチラ
私は、シリーズ中一番のお気に入り、シリーズ3作目の「ごろつき犬」(1965・大映東京)を観てきました。
あらすじはコチラ(キネマ旬報データベース)

南紀白浜にツーリングに出かけた鴨井(田宮二郎)は、葉子(水谷良重)という美女と知り合う。彼女は金貸しの未亡人で、自分の夫を殺した一六会の稲取(根上淳)、川勝(成田三樹夫)、辺見(山下洵一郎)を殺してほしいと鴨井に頼む。
大阪に戻った鴨井は顔なじみの木村刑事(天知茂)から彼の同僚を射殺した男を捜してくれるよう依頼される。その男もイナトリだった。。。

シリーズ3作目にして鴨井のピストルの腕もしゃべくりもオープニングからノリノリです。
なぜこの作品がお気に入りかというと、作品中何度か繰り返される小粋な感じのテーマ曲(by山内正)が好きなのと、セリフのやり取りの面白さ(by藤本義一)、俳優陣ががっちりそろっているからです。男性陣は鴨井に木村、イカす悪党根上、二枚目の山下、ニヒルな成田、お笑いでダイマル・ラケット。女性陣はセクシーな水谷、クールビューティな江波杏子、おなじみお玉ちゃんの坂本スミ子。鴨井と稲取が対決する場面は音楽もカッコイイし、二人のピストル勝負も決まっていて特に大好きな場面です。

ショボクレこと木村刑事は、第一作「宿無し犬」から一作品おいての再登場。天王寺駅前で鴨井を見つけ、そこから通天閣方面まで鴨居の後をつけ、鴨井がヤクザをやっつけた後にやっと声をかけます。なんですぐに声かけないんでしょうかねえ。こんな調子でその後も鴨井の行くところに神出鬼没で現われるのは前作と同じ。
今回のショボクレはコミカルな面も描かれていて、鴨井に捜査の協力を依頼するときに自分の先は長くないと仮病を使ったりします。単純な鴨井はその話を真に受けちゃうのがまたおかしいんですけどね。
「宿無し犬」に引き続きショボクレがうどん屋に行く場面も出てきますが、ここでなぜ彼がうどんを愛するかが明らかになります。うどんの「たたいて伸ばして細長く」が彼の人生観と通ずるからなのだそうで。そこでまた鴨井に「その上につかみどころがない」と突っ込まれている(笑)。

いつもは鴨井を手玉に取ってるショボクレなのですが、この映画では鴨井に負けているところも。。。
1.サシの勝負や!と言って向かった将棋サロンで鴨井に負ける。
2.浪花警察署内で鴨井にどつかれる。(仮病のウソがばれたから)
3.大阪警察病院前で服装検査をしようとしてまた鴨井にどつかれる。
鴨井にどつかれるのは体格差ゆえ、、、というのもありましょう。いや、1と3は鴨井をうまく動かすための策略だとも思われます。

そして終盤・天王寺駅の場面で、大阪に来たお玉ちゃんに追っかけられる鴨井を笑って見送るショボクレがほんのりシブくてまたいいのですな!

大好きな映画を大画面で観ることができてシアワセでした!




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この記事へのコメント
 私も「ごろつき犬」はシリーズ中で最も好きな作品のひとつです。
 昭和58年にまだ横浜市に下宿していたころ、川崎市の銀星座という映画館へ2回見に行ったせいでもありますが。
 確かに最後の鴨井と稲取の対決シーンは本当にかっこいいです。
 今もビデオでこのシーンを見るたびに、映画館へ見に行った当時のことが思い出されます。
 さらに、この映画の10年弱前には根上淳主演の映画の端役に田宮二郎が出ていたのが、ここでは立場が逆転して根上淳が田宮二郎のやられ役になっているということを考えると、どの世界もきびしいなあ、と感じさせられてしまいます。(われわれサラリーマン社会もいっしょですね。えらそうなことを書いてすみませんでした。)
Posted by 朝吉 at 2008年08月31日 11:29
朝吉さん
コメントありがとうございます。
銀星座とはなんともステキなネーミングの映画館ですね。調べてみたらチネチッタの前身だということを知りました。
鴨井VS稲取の対決シーンは何度見てもシビれます。音楽が盛り上がりながら、稲取「今度は俺が勝つ」、鴨井「そうかな」とくるくるピストルを回す、というやり取りが最高です!
当時のプログラムピクチャーを時系列で眺めてみると、俳優さんたちの浮き沈みもシビアだったんだなあ、と思います。
Posted by なべら at 2008年09月01日 22:02
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